●むこう向きのおっとせい その90
公園の木の周りにたくさんの穴が開いていた。
公園の木の周りにたくさんの穴が開いていた。
セミの幼虫が抜け出た後か、これから出てくるのか。
以前に夏の合宿で、幼虫が出てくるところを見てみよう、
という企画があった事を思い出した。
その時は残念ながら上手くいかなかったが。
セミはどこに卵を生むのか、
生まれた幼虫は、どうやって土の中に潜るのか?
そして土の中でどうしているのだろう?
改めて考えると、セミの事はあまり知らないことに気づいた。
調べてみた。
セミは卵を地中ではなく、枯れ枝に産み付けるらしい。
卵から孵った幼虫は、地上に落ちて、土に潜る。
幼虫の死亡率はこの時が最も高く、
地上に落ちた幼虫の95%はアリに食われて死亡するらしい。
アリから逃れた幼虫は、土の中で、木の根っこの樹液を吸って、
暗闇の中でひたすら地上に出る日を待つ。
その間もアリやモグラが襲う。
そんな試練を乗り越えて、セミは土の中から地上に出てくるのだ。
そう考えると地上で鳴いているセミは、ある意味成功者なのかもしれない。
地上に出て生きるのは10日余り。
お互いの伴侶を得て、子孫を残し、息絶える。
何だか切ない気はするが、やりきった思いであの世に行っているような気もする。
この夏も「星くずの村」ではたくさんのセミが鳴くことだろう。
今までとはセミの見方が変わりそうだ。
今年も何度となく島に行く。
子どもたちと共に、また新たな発見が出来ればと思っている。
ではまた。
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