●むこう向きのおっとせい その70
前期入試の発表も終わり、中3生の入試も後期試験を残すだけとなった。
前期の結果は、今年から実施された文理科で涙をのんだ生徒もいたが、
それ以外は心配していた生徒も合格してくれた。
長年通ってくれた生徒が多かったので、その結果にはほんとに安堵した。
文理科で悔しい思いをしたものも、今は後期の入試に向けて懸命に頑張っている。
この頑張りが報われることを願うのみである。
さてそんな入試の時期ではあるが、理科の授業は実験をしている。
この間若江校では花火の実験をした。
炎色反応の最も派手な実験で、学園では伝統の実験の一つである。
まずは炎色反応の基本の実験をし、その後花火作りに入る。
10種類の薬品を量り、それを調合して紙縒りにしていく。
薬品の分量を間違うと危険である。
出来上がった花火を持って公園へ。
マグネシウムとストロンチウムのまばゆい閃光。
アルミニウムの優しい光。
線香花火の穏やかな燃焼。
自分たちの作った花火の意外な美しさに、子どもたちは歓声を上げる。
どの顔も笑顔に溢れている。
これまでたくさんの実験をこの子たちとしてきたが、
こんな素敵な時間を持てるのもあとわずかだと思うと、
花火の光がなぜか寂しく思えてくる。
全ては移り変わっていく。
物事の終わるときの切なさをいくつも経験して、人は年を重ねていくのだ。
なんて感傷的になっているのは、おそらくこのおじさんだけなんだろうなと思いながら、
季節外れの花火の輝きを眺めた。
来週はいよいよ最後の授業となる。
また思い出に残る実験をして、別れを惜しもうと思う。
ではまた。
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