●むこう向きのおっとせい その46
(昨日我が家から見た夕焼けです)
慣性の法則とは
物体に外部から力がはたらかないとき、または、はたらいていてもその合力が0であるとき、静止している物体は静止し続け、運動している物体はそのまま等速度運動(等速直線運動)を続ける。
と中3理科で習う物理の法則である。
この慣性の法則を身をもって体験した事がある。
小学校の4年生ぐらいだった思うのだが、父親と単車で出かけた時の事である。
季節は初夏。
後部座席に座っていた私は、心地よい風に吹かれ、
小学校の4年生ぐらいだった思うのだが、父親と単車で出かけた時の事である。
季節は初夏。
後部座席に座っていた私は、心地よい風に吹かれ、
移りゆく景色を見ながら気分は爽快であった。
スピードがだんだん遅くなってきた時に、私は何気なく地面を見た。
すると地面はどんどん後ろに流れていく。
まるで地面のほうが走っているような錯覚にとらわれた。
まるで地面のほうが走っているような錯覚にとらわれた。
それが面白くてしばらく眺めていた。
そしてスピードが随分遅くなったときに、
「飛び降りてみよう。」と突然思ったのだ。
飛び降りたら、すっくと立っていると自分ではイメージしていた。
そして飛んだ。
結果は悲惨だった。
慣性で前に向かっている私の体は、そのまま前のめりに、地面にたたきつけられたのである。
顔面および、膝は血だらけになった。
しかし子どもが飛び降りるなんて予想もしていない父親は、息子の惨状に気づかずそのまま走り続けた。
自分の予想が違っていたのと、血だらけのWショックの私は、走りゆく父親の単車の後を、泣きながら追いかけた。
それを見ていたトラックの運転手さんが父親を追いかけて、「お前の息子が落ちとる。」と教えてくれて、ようやく父親は息子の非常事態に気づいたのである。
なぜ飛んだのか、今でも謎だ。
そんな息子を見て笑っていた、若き日の父親との貴重な思い出である。
ではまた。
(昨日我が家から見た夕焼けです)
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