森山’s Honey Bucket 62
教室の南側の窓際にインパチェンスという名の花が咲いている。
南側とは言え、たった1枚のガラス板で外界に接している場所だから、
この季節とくに早朝はかなり冷え込むはずだ。しかし、寒さにもめげず、
出勤しきた僕らをピンクや赤の花びらを大きく広げて出迎えてくれる。
けなげさを感じる。
実はこの花、52期生が中3になったばかりの春(つまり今から約4年程前)に、
ホームセンターの園芸コーナーで買った。一株たしか198円。
花粉から胚珠に向って伸びる「花粉管」を観察する実験に利用するからだ。
実験では小さな株についている花という花のほとんどを摘んで使ってしまった。
花を持たない株はとても貧素でみすぼらしくなってしまったが、
「来年まで生き延びて、また花を咲かせるなんてことがあったりして…」と、
まったくあてにもせず、窓際へと運んだ。
いつのことだったか、茎がスルメの一番細い足のようになり、枯れてしまったかに見えた時期もあった。
でも、「頑張りや。」などといって水は欠かさずやってきたし、時には肥料も与えた。
それがどうだろう…。なんと毎年花を咲かせつつ、思いのほかの4年間を生きて、
今、また幾度目かの開花を迎えたのだ。
植物といえば、教室にはもっと大先輩がいる。
上本町校が産声をあげた1995年にヒゲ先生が買ってくださった観葉植物2鉢だ。
これらは今もかわらず教室に酸素を供給してくれている。
僕にはちょっとした思い込みがある。
教室とは、親御さんが何よりも大切にしている「子ども」を預かる場所なんだ。
そんな場所なのだから、「生き物」の命を大切にする空間であるべきだ!と。
どうも幼い子どもの発想のようで気恥ずかしいが、本当にそう思っている。
小豆島合宿で子どもたちが、いつもより断然いきいきして見えるのは、
取り囲む無数の生き物たちが、子どもたちそれぞれに
「生きることへのエール」をいっぱい送ってくれているからかもしれない。
P.S.
親メダカと一緒に泳ぐようになった子メダカも今のところ皆元気だ。