森山’s Honey Bucket 17
ずっと我慢してきた痛止め薬をナースコールで頼んだ。右下腹の傷の痛みそれ自体ではなく、からんだ痰を排泄するためにする咳の響きが、たまらなく傷に堪える。経験された方はお判りだろう。鎮痛剤服用の頻度を下げるべく耐えてきたが、ついにギブアップ。先程から効果がでてきた。
先週金曜19日の昼過ぎから、お腹にシクシク痛みが始まった。台風本体はまだ南の海洋遠くにあるのに、突然強い風が吹き軒下のバケツが音をたてて転がっていく・・・。そんな感じに、今回の騒ぎはスタートした。
金曜夜 授業を終えた中3生をなんとか送り出し、残務もそこそこに家路に。激しくなる腹痛に冷や汗を流しながらハンドルを握る。声も出せず帰宅。まずは腹を温めるべし、と熱いめの湯船でしっかり腹をさすり、その後もストーブの前に直行。少し楽になった・・と思ったのも束の間、やはりそれはまたやってきた。鎮痛剤の効果も薄く、唸り続けることに。体に何が起こったのか?命に心配はないのか?
尿路結石2回、通風発作2回、今回の痛みの質は前者に近い。程度は今回もひどい。経験から結石は背中。今回は腹。
かかりつけの医院の開院の時刻まで、時計の針の動きはいつもより遥かに遅い。もう待てない。が、ご近所の手前、救急車をお願いするのは避けたい。
結局、電話で確認してもらい、家内の運転する車の後部座席でネコのように体を丸め連れて行ってもらったのは、某病院の緊急外来。土曜午前6時という時刻にもかかわらず、血液検査・胸部レントゲン、ややしてMRIと胸部レントゲン。
「炎症反応の値・白血球数・画像から、どうやら虫垂炎です。虫垂の根元に糞石の固まりがあり、その先端がかなり炎症を起こしていると思われる。破れていないと思うが、それは開腹してみないと分からない。腹膜炎に繋がる危険性を考えるとすぐに手術するのが得策だと思う。」
若い先生方の診断と説得力あるお話。痛みの原因を特定いただいた安心感。ぼくは緊急手術を決断し、お願いした。
執刀医から術前の丁寧な説明をいただいた。特に印象深かったのは、
「あなたの皮下脂肪は相当にぶ厚い。従って大きく深く切らなければならない必要がある。理解できますね・・・」
の部分だった。
まな板の鯉となったぼくは、瞬時に全身麻酔が完了したようで、
「手術終わりましたよ!」
と起こされるまでの2時間がまさに一瞬のことのようであった。(しかしそれでも確かに学園の夢を見てた。夢の途中で起こされたのだから・・・)
ぼくは今回の入院で、本来自分がするべきたくさんの仕事を他の先生方に替わっていただかなくてはならないことになった。
土曜理科実験から退院に至るまでのすべての授業。高専の力餅配り。前期試験激励会、数え上げればきりがない。第一 入試本番の朝だってぼくは病院だったのだから。
しかし、そのひとつひとつを学園の先生方・助手の方々が本当に心をこめて、丁寧にフォローしてくださっている。
また中3生諸君からは、入試前には「自らの健闘を誓う力強い約束」を寄せ書きにして、入試後には「テストの出来映え報告、中には勝利宣言??」を個々のメッセージとして、
「頑張れ」
「早く良くなって戻って来~い!」
の言葉も付け加えることを忘れず届けてくれた。
「何もすることなくダラダラ寝てるだけでまた太ったんちゃうか?」
と心配してくれたN君。
「そんなことなかったんやぞ!」
をきっぱり証明するためにも、入院太りせず、NEW SLIM MORIYAMA (略してNSMM)として、できるだけ早く戻らせてもらいます。
(ちなみにネット使えない病院ゆえ、本ブログ掲載にあたっては、またまたあっ君にお世話になりました。)
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腹膜にはなっていらっしゃらなかったようで、安心しました。
先生のことですから、この時期という要素も加わり、周りの方々や息子達中3組のことを、かなり気にされて色々気を遣われていらっしゃるんだろうと思っていました。
blogを拝見し、的中…
病は気からです!
気を遣いすぎたり、心配し過ぎたりしてはダメです。
こうなってしまったことは受け入れ、大きな顔をしてベットで休養されてください。
…少しでも早く、先生に戻って来て欲しいのは、皆さんも同じ想いでしょうが、先生が学園に出勤されていなくても、これまでの愛情溢れるご指導や積み重ねられてきた教えは、ちゃんと消えず薄れず息子達の心に存在しています。
…発表まで後少し。
結果はどうあれ、学園でお世話になり森山先生にご指導いただき、本当に感謝しています。
来週火曜日に、すっきり晴れやかに、再度、感謝の意を述べたいと思います。
…長々と失礼しました。