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2024/12/29 19:02 |
油絵の具

森山’s Honey Bucket 46

 高校時代の2年間と少し、油絵の具にまみれることになった。 

夏の合宿では、早朝から日暮れまでひたすらキャンパスに向った。
志摩半島の突端にある「波切」という、大きな灯台のある漁村だ。
 
 早い朝食の後、キャンバスと油絵の具や絵筆の入ったカバンを抱え漁村の階段や坂道を歩きまわる。
そして気に入った風景に出会うと、構図を決定し早速描き始めるのだ。
 
 合宿所の民宿「もへじ屋」にOBの方がトラックで運んでくれているキャンバスは、合宿前に美術部員総出でこしらえたもの。
新品のキャンパス(型枠の桟にベニヤ板を打ちつけ白いペンキを塗布したもの)も一応作る。
しかし大部分は経費と労働力を削減するため、先輩が過去に描いた作品を上から白いペンキで塗りつぶして自分たちのキャンパスにする。
リサイクルと言えば響きはいいが、紛れもなく先輩の作品を無きものにする荒業だ。
しかしこのことは、当時すでに美術部の伝統であったから仕方がない。
 合宿中利用するベニヤ板製キャンパスは、小さいものでも30号、大きなものは60号
(60号は大体130cm×90cm位)運ぶのもなかなか大変だった。
 
 
 
 朝のうちに1作、昼ご飯前から2作目にかかり、3時頃には3作目に突入。
朝一から日暮れぎりぎりまで、階段や地べたにしゃがみこんだり、民家の庭先の石垣に腰を下ろさせてもらったりしてひたすら描いた。
(もちろんイーゼルなんて洒落たものは使用しない。)板キャンも地べたに置くか石垣に立て掛けるのだ。
 ほっと一息のかき氷の美味しさも懐かしい。充実の真夏の3泊4日だった。
 
 
  
 ともに油絵の具の香りの中で過ごした高校時代。
 全日本学生絵画コンクールでの学校賞(最高賞)を目指し、夜遅くまで絵筆を動かし励ましあった。
 競いもしたし恋もした。
 
  想えば、すべてに夢中だった。
 
 
 今メンバーのほとんどが美術とは無関係な仕事に従いている。それは少しも不思議だとは思わない。
でももういい歳になった我々が、年2回は顔を合わせ、食べ・飲み・歌い・騒ぎ、心満ち足りた時間を過ごしている。それは不思議だ。
今年もあと少しでその至福のときが訪れる。
 
 
 これから高校への扉を開く人たちよ、どうか素敵な3年間であれ!
 
 一生物の宝である友人と出会える3年間となるように願う。 
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2010/09/16 10:34 | Comments(0) | TrackBack() | 森山's Honey Bucket

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