●むこう向きのおっとせい その80
「先生、また火を起こしてもいいですか?」
「先生、また火を起こしてもいいですか?」
6年生のS君、E君、I君が尋ねてきた。
なぜだかよく分からないが、彼らは火起こしに興味を持ち、
昨年の後半にチャレンジした。
昨年の後半にチャレンジした。
その時、私は「夾竹桃の枝だけは燃やすな。」とだけ言って、
後は黙って見ていた。
物を燃やし続けるにはどのようにすればいいのか、
彼らは知識を持ち合わせていなかった。
砂場に穴を掘り、枯れ草を入れ、紙を入れ、点火する。
最初火はつきかけるのだが、すぐに消えてしまう。
物が燃え続けるには、新しい空気が必要だと、なかなか気付かない。
彼らのチャレンジは失敗に終わった。
もう諦めたと思っていたが、今年またチャレンジすると言ってきた。
今回準備したものを見に行ってみると、
ブロックを積み、空気の通り道をちゃんと作っていた。
彼らは成長していたのである。
大勢のギャラリーを前に、点火が始まった。
また消えるかなと思っていたところ、
E君がラグビーで鍛えた肺活量で空気を送り込んだところ、
物の見事に炎が湧きあがった。
子どもたちは大喜びであった。
そしてこれで満足したのかと思ったら、
今度は釣ってきた魚を、
自分たちが起こした火で焼きたいと言い出した。
あくなき好奇心である。
反対する理由はないので、許可する。
彼らは残念ながら釣れなかったが、
私の釣った魚を持ちかえり、焼き魚に挑戦した。
火はまた見事に起こり、魚は焼けた。
自分たちの思い通りに出来たという、
彼らの満足げな顔を見ていると、
こちらも何だかうれしくなった。
自分たちで工夫し、協力し合った結果上手くいった。
この事で、彼らは多くの事を学んだのではないだろうか。
それにしてもなぜこんなに火を燃やす事に情熱を傾けるのだろう?
人がまだ猿っぽかった頃、火を扱うのは男の仕事だった。
なぜなら、その消火におしっこを使っていたかららしい。
だから火に興味を持つのは男に多いそうだ。
彼らのサルっぽい顔を思い起こすと、妙に納得できる説であった。
ではまた。
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●むこう向きのおっとせい その79
私が小学校の頃,「忍者部隊月光」というテレビ番組が人気を博していた。
地蔵さんを祭ってある祠の屋根から飛び降りる。
今見ればそんなに高くはないが、小学生からすれば結構な高さだ。
城東運河の防波堤の上をかけ足で渡る。
転落すればヘドロの川にまっさかさまである。
渡してある木にぶら下がってわたり始め、
砂山の所で手を離して下に落ちるというのはメインの訓練であった。
そして工事現場のおじさんは極悪非道な悪人として、我々の敵役だった。
実際はただのおじさんなのだけど。
影に隠れながらおじさんたちの動きを見ることは、
見つかったらやばいというハラハラ感一杯で、わくわくする時間だった。
ある日曜日、いつものように訓練に励んでいたら、
その日にはいないはずの悪人が突然現れて、
彼はおじさんが「こらー!」と言った時に、
ちょうど木にぶら下がっていたのである。
後でおそるおそるK坊の家に様子を見行ったら、
泣きはらした目をした彼が無事にいたのを見て、
みんなでほっとした事を覚えている。
「大人からすればたわいない事でも、
子どもはわくわく、ドキドキときめくものなのだ。」
私が小学校の頃,「忍者部隊月光」というテレビ番組が人気を博していた。
「忍者部隊」が忍術等の能力を駆使して悪事と戦う物語である。
これには無茶苦茶はまった。
忍者部隊に入りたくて、日々近所のがきんちょと集まって訓練に励んだ。
今から考えれば危険な事を一杯していた。
地蔵さんを祭ってある祠の屋根から飛び降りる。
今見ればそんなに高くはないが、小学生からすれば結構な高さだ。
城東運河の防波堤の上をかけ足で渡る。
転落すればヘドロの川にまっさかさまである。
そして何よりも工事現場はかっこうの訓練の場であった。
渡してある木にぶら下がってわたり始め、
砂山の所で手を離して下に落ちるというのはメインの訓練であった。
そして工事現場のおじさんは極悪非道な悪人として、我々の敵役だった。
実際はただのおじさんなのだけど。
影に隠れながらおじさんたちの動きを見ることは、
見つかったらやばいというハラハラ感一杯で、わくわくする時間だった。
ある日曜日、いつものように訓練に励んでいたら、
その日にはいないはずの悪人が突然現れて、
「こらー!」と怒鳴ったのだ。
我々はクモの子を散らすように、一目散に逃げた。
そしてしばらくして、みんなが顔をそろえたとき、一人足らなかった。
「K坊がいない!」
彼はおじさんが「こらー!」と言った時に、
ちょうど木にぶら下がっていたのである。
そして彼は捕まった。
後でおそるおそるK坊の家に様子を見行ったら、
泣きはらした目をした彼が無事にいたのを見て、
みんなでほっとした事を覚えている。
「大人からすればたわいない事でも、
子どもはわくわく、ドキドキときめくものなのだ。」
というのをテーマに
「火おこし」に挑戦した実験学校の生徒たちの事を書こうと思っていたら、
前振りが長くなってしまった。
前振りが長くなってしまった。
続きは次回書くとしよう。
●むこう向きのおっとせい その78
FFC(藤原学園フィッシングクラブ)の活動で小豆島に釣行した。
総勢8名。
にぎやかなメンバーでほんとに楽しい時間だった。
今回の釣りで感心したことが二つあった。
一つは、自分が釣りのいろんなトラブルに対処できたるようになっていた事。
リールの糸が絡む、根がかりする、他人の糸にからむなどなど、
釣りをしているといろんなトラブルに見舞われる。
以前なら助けを求めていただろう事が、今回は全部自分でうまく処理出来た。
やはり体験を重ねることで、人は成長するんだと思った。
もう一つはルアーの動き方。
昼間行った場所でなかなか反応がなく、面白くないなと思ってルアーを投げていたところ、
場所が高かったこともあって、ルアーの動きがよく見えた。
場所が高かったこともあって、ルアーの動きがよく見えた。
スクリューテールクラブというソフトルアーをジグヘッドにつけて投げていたのだが、
その動きが上からよく見えた。
その動きが上からよく見えた。
今までルアーの動きをじっくり見た事がなったのだが、これはほんとに驚いた。
見事に本物の魚のように動くのである。
余りに面白いのでロッドにいろんな動きを加えて、しばしルアーを動かしてみた。
ロッドの動きに合わせて、ワームは面白いように動きを変える。
しばらく遊んでいたら、藻の間から一匹の魚が喰らいついてきた。
魚も本物の餌と間違うはずである。
ルアーの形状にはちゃんと意味があるのだと納得した。
今回の釣果は期待したものではなかったが、
たくさんの得る事があった。
穏やかな海を前にゆっくりと時間が流れ、
夜更けには夏の大三角やさそり座を見る事ができ、
そしてメンバーで楽しく過ごせた事が何よりもしあわせな事だった。
釣りは楽しい。
ではまた。
(今回使ったルアーです)
●むこう向きのおっとせい その77
23日から24日にかけて、実験学校特別会があった。
今回のテーマは「渦の研究」
まずは大きな渦である「鳴門の渦潮」観察からスタート。
残念ながらタイミングが悪かったようで、
渦を見ることは出来なかったが
渦上45メートルのガラス床から見下ろす景色は迫力があった。
ガラスにのると空に浮かんだ気分だった。
島に到着後、実験開始。
1時限目は「台風の渦を作ろう」
台風のでき方の説明を受けた後、工作開始。
ドライアイスの白煙が見事に渦を巻いているところが観察出来た。
2時限目は「風の流れを観察しよう」
線香の煙で風の流れを観察。
風船が安定して浮かんでいる様子に子どもたちも大喜びだった。
その後天体観測。
あいにくの曇り空だったが、雲の切れ目から
北斗七星、しし座が雄大な姿を見せる。
「こと座流星群」の極大日に運よく当たっていたので、流れ星観察。
待つ事しばし。きれいな流れ星が飛んだ。
待つ事しばし。きれいな流れ星が飛んだ。
翌朝、6時半に起床。
フィッシングに行く。
釣果は今一つであったが、穏やかな楽しい時間が流れた。
3時限目の実験は「カルマン渦を作ろう」
一様な流れの中に物体を置いたときに下流側にできる渦列のことをカルマン渦という。
木星の大赤斑もカルマン渦。
その渦を目で確かめようとマーブリングに挑戦。
見事な模様が出来上がった。
最後は「ベナール対流を作ってみよう」
空気の対流によって出来る渦で、うろこ雲もベナール対流でできる。
その様子を目で見る実験。
熱せられたアルミ粉が見事な模様(細胞)を形成した。
高度な実験が多かったが、子どもたちは好奇心いっぱいに実験に取り組んだ。
この姿勢が大事なんだと思う。
授業終了後子どもたちだけで面白い事にチャレンジしていた。
ちょっと長くなったので、その事は次のブログで書くとしよう。
次回は「にわとりの解剖」を初めとして、学年毎にたくさんの実験をし、
自然体験としては「潮干狩り」をする。
子どもたちの活気あふれる笑顔に触れる事が出来ると思うと
今からわくわくしてくる。
年をとらない職業だと、つくづく思う。
●むこうむきのおっとせい その76
日曜日、ゆっくり寝てやろうと思うのだが、
どういう訳か早くに目覚めてしまう。
寝たのが4時頃というのに、目覚めたのは7時前。
部屋の掃除をし、本を読んだ後、連休に行く事にしている釣りの準備を少しした。
眠たさ満開だったが、せっかくの休みだし、
寝るのはもったいないと思ってそのまま起きることにした。
部屋の掃除をし、本を読んだ後、連休に行く事にしている釣りの準備を少しした。
釣りショップに行って、巻きっぱなしだったリールの糸を巻き替えてもらった。
そして古いルアーの針を自分で換えてみた。
初めてのことだったのでインターネットでやり方を検索して、
挑戦してみたのだが苦戦の末、うまく換える事が出来た。
出来る人からしたら、そんな事で喜んでという事になるかもしれないが、
今まで出来なかった事が出来るようになる事は、
ささいなことであってもうれしいものだ。
やってみないと感動は味わえない。
やってみないと感動は味わえない。
新学期が始まって1週間。
新しい時間割と新しいシステムになって、
クリアーしなければならない課題が次々に出てきて、対処に追われている。
しかし新しい事を始める事は、大変な事も多いけれど、
期待も大きいので、楽しみも一杯である。
子どもたちが今の自分より、より前向きな気持ちを持つ事。
そして少しでも自信を持つ事。
そんな機会を作る事が自分の仕事だと思っている。