●むこう向きのおっとせい その60
これを書いている職員室の窓から、
これを書いている職員室の窓から、
木々が風で大きく揺れているのが見える。
今日も風は非常に冷たい。
今年は例年になく気温が低く、
昨日「木星の間」の入り口に下げてある温度計を見たら、
零下2度だった。
25日、天候は荒れ模様で、
フェリーは下から突き上げてくる波で
時折どーんと大きな音をたてて揺れた。
そんな中子どもたちは課題の英単語を懸命に覚える。
島に着くとテストが待っているので、真剣である。
国語の学習の後、テスト開始。
船中学習の成果か、できは非常によかった。
今日は朝7時に起床して、朝の学習を3時間、昼の学習を3時間、
夜は8時から12時までまた学習である。
子どもたちの様子を見ていると、ハードな学習をこなしているにも関わらず、
非常に明るく生き生きしている。
友達と語らい、先生たちと語らい、餅つきやこんにゃく作りといった、
合間の行事や時間も思い切り楽しんでいる。
「星くずの村」にいるみんなが一体となって、
「今」を、「流れ行く時」を全身で受け止めているように思える。
こんな時間を、子ども達や若いスタッフとともに過ごせることは
本当に幸せである。
29日まで合宿はある。最後の夜は徹夜学習もある。
子どもたちが達成感を持って帰れるよう、
精一杯付き合っていこうと思っている。
ではまた。
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●むこう向きのおっとせい その59
実験学校からのバスでの帰り、サービスエリアに立ちよった時、
見事に赤く丸いきれいな夕陽が海に沈もうとしていた。
それを見つけた一人の男の子が、一目散に走って行った。
私もカメラに収めようと、その後を追った。
「7年間生きてきた中で、一番きれいな夕陽や。」と
子どもは目を輝かせて私に話しかける。
しみじみと「7年間」と言うのがなんだかおかしく、可愛かった。
彼の感動がダイレクトに伝わってきた。
「チョウやトンボ、バッタなどの昆虫をつかまえたこと」、「太陽が昇るところや沈むところを見たこと」、「夜空いっぱいに輝く星をゆっくり見たこと」といった自然体験の度合いと、「友達が悪いことをしていたら、やめさせる」、「バスや電車で席をゆずる」といった道徳観・正義感の度合いを、それぞれ点数化してクロス集計したところ、「自然体験」が豊富な子どもほど、「道徳観・正義感」が身についている傾向が見受けられた
と生涯学習審議会「青少年の[生きる力]をはぐくむ地域社会の環境の充実方策について」の答申に書いてあった。
それが正しいのかどうかは定かではないが、
美しいものに感動する心を持った子どもには育ってほしいとは思う。
今回の実験学校では、普段学校では体験しない実験のほかに、
マットに寝転び、毛布にくるまっての冬の星座の観察、
朝早く起きての釣り、
そして「星くずの村」の自然を利用した「クリスマスリース」作りと、
自然と触れ合う機会を多く持った。
そういう実験と自然体験のできるところが、
実験学校の真骨頂なのだ。
今年一年が終わろうとしている。
来年もインパクトのある実験や、楽しい自然体験を一杯
子どもたちに提供していきたいと思っている。
といいながら実は自分が一番楽しんでいる気がする。
幸せなことだ。
ではまた。
●むこう向きのおっとせい その58
先日中1の理科授業で「水素」の実験をした。
水素は、空気を混合したところに点火すると爆発する。
学校の理科実験中に起きる事故の数でも上位を占め、最近では東京と千葉で起こっている。
いずれもフラスコの中で発生させた水素を、ガラス管を通して試験管に集め、
その試験管の入り口にマッチの火を近づけるべきところを、試験管ではなく、
ガラス管の方にマッチの火を近づけたため、
爆発してフラスコが飛び散ったというものである。
その試験管の入り口にマッチの火を近づけるべきところを、試験管ではなく、
ガラス管の方にマッチの火を近づけたため、
爆発してフラスコが飛び散ったというものである。
水素の性質を十分に理解して臨めば、起こることのない事故である。
学園の授業では、水素を水上置換で集気ビンに集め、ろうそくで点火する。
ろうそくをビンに入れると、ポンという音と共にろうそくの火が消え、
ろうそくを抜くときにまた火がつく。
ろうそくを抜くときにまた火がつく。
そこで子どもたちに質問する。
「なぜビンに入れると消え、出す時に火がつくのか」
消える理由は「ビンの中に酸素がないから」とすぐに分かるのだが、
火もつけていないのにろうそくが再びつく理由がなかなか分からない。
火もつけていないのにろうそくが再びつく理由がなかなか分からない。
そこで電気を消してもう一度実験すると、ビンの口のところで水素が燃えているのを発見し、
その理由を納得するのである。
その理由を納得するのである。
次に、わざと空気を混合させ点火。ボン!と爆発音がし火柱が噴き出る。
危険性は全くないし、水素の性質を理解するのには非常にいい実験だと思っている。
今回はその後、ビールビンに亜鉛と硫酸を入れて水素風船を作った。
この実験は久しぶりにやったのだが、予想以上に子どもたちは喜んだ。
週1回の授業では出来ることは限られている。
できうる限りインパクトのある教材を子どもたちに提供し、
好奇心を喚起していきたいと思う。
好奇心を喚起していきたいと思う。
●むこう向きのおっとせい その57
昨日うん十年ぶりで、昔バンドを組んでいた仲間二人と会うことが出来た。
ヒゲ先生に線香をあげに来て下さったのだ。
前にも書いた学園のバンド創設時のメンバーで、本当に懐かしかった。
一緒に活動したのは2年という短い期間ではあったが、
その時期はバンド仲間と過ごす時間が、
自分にとっては最も大切な時間だった。
昨日二人を見ていて、時は流れたと感じるとともに、
あの時に過ごした時間は確かに存在したと
改めて感じることが出来た。
いろんな話題が出る中で、来年「イーグルス」が来日するという話になった。
「イーグルス」は昔バンドで何曲か演奏した事があり、
我々にとっては印象に残るバンドである。
見に行けたらいいなと言ってたら、バンド仲間の肉ナベ
がイーグルス来日に備えてギターの練習を頑張ってるという。
(渡辺と言うのが二人いて、肉付きのいい方が肉ナベ、細い方を細ナベと呼んでいた)
自分が出るわけでもないのにギターの練習をしているというのがおかしく、
3人で大笑いした。
肉ナベの人懐こい笑顔が一瞬に浮かんだ。
同じものを見て、同じものを聞いて、同じものに感動してきた仲間がいるというのは、
幸せなことだと、この年になってくるとつくづく思う。
幸せなことだと、この年になってくるとつくづく思う。
イーグルス見に行けるかな。
ではまた。
●むこう向きのおっとせい その56
昨日、ヒゲ先生の満中陰の法要があった。
極楽浄土に無事たどり着くだろうか。
ヒゲ先生の事だから、閻魔大王ともめたりしてないだろうかなど思いながら僧侶の読経を聞いていた。
ヒゲ先生の事だから、閻魔大王ともめたりしてないだろうかなど思いながら僧侶の読経を聞いていた。
その後の会食(お斎と言うらしい)で、ヒゲ先生の事を中心に、親族で随分会話が弾んだ。
自分の知らないヒゲ先生の姿がそこかしこにあった。
話をしながら、血のつながった者同士の一種独特の連帯感みたいなものを感じた。
血のつながりと言えば、昨日は来ていなかったいとこの一人が、
先日のお葬式の時に藤原家の家系図を作成して持って来てくれた。
亡くなったヒゲ先生のお兄さんが書き留めていたものを整理したとのこと。
ヒゲ先生のお父さん、すなわち私の祖父の5代上の先祖までさかのぼって書いてある。
まとめる労力は大変なものだった思う。恵吉(祖父)・タケ→峯三郎・シモ→常平・里野→万兵衛・アキ→政平・ひな→善四郎・いう
政平1734年生、1816年亡と書いてあるので、江戸時代、享保の改革が行われた頃に生まれ、
82歳まで生きた事になる。
82歳まで生きた事になる。
その当時としては随分長生きの部類に入るのではないだろうか。
次の万兵衛さんも76歳まで生きているので(この方も江戸時代生まれ)長生きの家系かもしれない。
シモさん、里野さんてどんな人だったのだろう。表を見ているといろんな事が想像できておもしろい。
自分が今こうして生きているのは、これらの祖先がさまざまな物語を刻みながら、
命をつないできたからだと改めて感じる。
命をつないできたからだと改めて感じる。
時にはこの家系図を眺めながら、ヒゲ先生の事、そして祖先の事に、思いを馳せたいと思う。
ではまた。
(家系図です)